オフィス仲介の難しさとやりがいを感じる瞬間

森谷 翼

オフィスリーシング事業部
Profile

異業種から営業未経験で挑戦し今に至ります。

同じ“物件紹介”でも、オフィス仲介はまったく別物だった

最初は正直、「オフィス仲介って地味なのかな」と思っていました。住宅と違って感情的な動機が見えづらいし、「法人相手って難しそう」というイメージが強かったからです。でも実際にやってみて思うのはオフィスって、単なる“場所”じゃなくて、その会社の“戦略”や“ビジョン”そのものなんだということ。例えば、「採用を強化したいから、駅直結のグレード高めのビルに移りたい」というベンチャー企業。あるいは、「社員が増えて分散していた拠点を1フロアにまとめたい」という中堅企業。内容はシンプルでも、その背景には会社の成長過程や、未来への投資が詰まっています。物件の提案って、単に「物件を見せる」ことじゃなくて、「この会社がこれからどうなるか?」を想像しながら、空間の選択肢を提示することなんだと気づきました。もちろん、難しさもあります。企業ごとに決裁フローが違ったり、社内調整で時間がかかったり、ビルオーナーとの条件交渉が続いたり。でもその分、1件決まったときの重みが違います。「営業所が一つ立ち上がる」「社内が活性化する」「採用力が上がる」その全部に、少しでも関われた実感が持てるのが、オフィス仲介の醍醐味だと思います。

ビルと会社と街がつながる。その中心にいる面白さ

オフィス仲介をしていると、自然と街の見え方が変わります。「あの交差点の角地に新築ビルが建つ」「あの老舗ビル、建て壊しが決まり新しいビルが建つ」そんな情報が日々入ってくるため、地図ではわからない都市の“温度”を肌で感じるようになります。そして面白いのが、「その空室、うちでも紹介していいですか?」という“開拓”の文化。オーナーや管理会社と直接やりとりして、許可を得られたときの達成感は営業ならではだと思います。反響対応と違って、自分で“場”をつくっていける手応えがあります。さらに、ひとつの移転が街全体の空気を変えることもあります。大手企業の営業所が増えたことで近くにカフェが出店したり、ベンチャー集積ビルの稼働率が上がって急に活気づいたり。「ただの空室が、会社の未来を変えて、街の景色まで変わっていく」そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事の面白さです。案件はすべてが同じではないし、同じお客様でも毎回課題が違います。だからこそ飽きることがなく、1件ごとに営業の手応えを感じられ、地味そうに見えるけど深く奥があり、じわじわ面白くなっていくそれがオフィス仲介という仕事です。